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6月23日に、アフリカ友の会の現地活動20周年を祝い「感謝の集い」を赤羽教会で行いました。これまでの歩みを写真で報告しました。この20年間を振りかえると「患者さんたちとの別れ」と「政治的混乱の連続」だったと思います。
先進国から10年遅れて2006年よりエイズの治療が始まりました。薬のお蔭で、エイズで死亡する人は少なくなりましたが、まだ地方にまで治療のシステムが普及していません。その原因は、国の政治的混乱にあると思います。
今年の3月24日にクーデターが起き、ボジゼ政権が倒れ、セレカ軍を率いるドドディア氏が、政権を握りました。しかし、新政権になってから4か月近くになりますが、政権は安定せず、首都バンギの住民は、強盗・略奪・殺人などにおびえながら夜を過ごしているようです。政府機関が機能していないように思われます。
白昼で、堂々と車が強奪されても誰も止めることはできないと職員は言います。アフリカ友の会の車は、クーデター直前に避難させ、未だに避難させたままで、活動には、タクシーを使っています。
現地の人々は、このような危機的状況で、生活し活動をしてゆくことは心身ともに限界があります。私たちは、職員の健康を維持するために、勤務時間を短縮しながら週6日間の勤務を続けています。患者さんたちの駆け込み診療所として、貧しい人々には無料の診療を行っています。
私たちができることは、医療を必要としている人に適切な医療を施すこと、エイズや結核の患者さんたちが薬を飲み続けるように援助することです。しかし患者さんの中には、診療所に来るまでの安全に不安を感じて薬をもらいに来ないケースもあり、治安の回復が最優先事項であるのは明らかです。
メディアによると、すでに小児死亡率とマラリアによる死亡が増えているようで、人道的危機を懸念しています。途上国の医療は、早期発見の段階で治療を開始しないと命を助けることは非常に難しいので、このまま静観してゆけば危機的状況になることは避けられないと思います。
日本にいて何ができるか? いかに活動資金を集めるか。日本のメディアは沈黙しているので、現場の声を一人でも多くの人にいかにして知らせてゆくかだと思っています。
現地の人に、幸せってなんですかと聞いたら「家族と食卓を囲むこと」と答えました。まさにこれが平和だと思います。夕方、庭先で食卓を囲みながら、ワイワイと楽しそうに食事をしている平和な光景はいつ戻ってくるのでしょうか。平和を願いながら。
2012年7月17日 アフリカ友の会 徳永瑞子
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